暗黙知を社員と共有したい〜知ってるひとがどこかに書いておけよ問題
- 2017.01.04「人は読んだことの10%しか覚えてないが、体験したことの90%は忘れない」について追記しました。
- 2017.01.01 「ブラック農家や古い経営者が地方を滅ぼす | 地方創生のリアル」について追記しました。
- 2016.12.30 記事全体を見直しました。
- 2016.12.29 「参考図書:デービッド・アトキンソン 新・所得倍増論」について追記しました
- 2016.12.24 「関連するかも知れない記事」を追記しました
今日はいつか書こうと思っていた「暗黙知」のお話。
【冨山和彦】「Gの時代」が終わり、「Lの時代」がやってきたhttps://t.co/0ZfNejrp03 #NewsPicks
— kosakamitsuteru (@kosakamitsuteru) 2016年11月20日
“日本的なある種、暗黙知化されている領域”> https://t.co/Wkdo0YmUST
— kosakamitsuteru (@kosakamitsuteru) 2016年11月20日
といっても、GとLのお話ではない。GとLの話もいつか書こうと思う。
……
うちは小さな会社である。
ルールはかなりアバウトだ。というか、そのときそのときで決めているに近い。
しかしそれでは仕事の取り組み方までバラバラになってしまう。
なので、3つの「原則ルール」を決めている。
うちの3つの原則ルール
①パターンを見極めて省力化・マニュアル化。
②それを全員でルーティン化。
③ダメだったらまたいろいろやってみる。
この3つしかない。もうすこしくわしく解説しよう。
①パターンを見極めて省力化・マニュアル化
「省力化」とは書いたが、「テクニック」とか「ノウハウ」、「必勝法」と読み替えてもOKだ。
たとえば、いままで1時間かかっていた作業を30分で終わらせる方法を見つけたら、その手順を分解してマニュアル化してしまう。
1回のマニュアル化の手間さえ惜しまなければ、次回から他のひとも作業時間が半分で済むようになる。
一手間かけるだけで、あとは全員永遠に早いのである。
こんなお得な話はない。
しかし、かしこいひとはともかく、そうでないひとはなかなかうまい方法を見つけられない。
結果として、かなりの実力の差が開いてしまう。
でも、こういうナレッジマネジメント(?)をちゃんとしておかないと、いつか社員自体に足を引っぱられてしまう。これは本望ではない。
しかし、どういうわけか知識や情報を社員やメンバーは共有したがらない。どちらかというとブラックボックス化したがる。
人口が減り成長が難しくなる時代に、これはどうかと思う。
なので、テクニックやノウハウはブラックボックス化させず、社内の情報共有サービスに蓄積しておいたほうがよい。
②全員でルーティン化
で、社員に教えるときは「このリンク(のマニュアルを)読んでおいてね」という教えかたをしている。
必勝法がどこかに「明文化」してあれば覚えやすいではないか。
ゼロからノウハウを考えるのが得意ではないひともいるだろうが、だったらマネしてもらうまでだ。
なにせ手順は全部書いてある。どうしてもわからないところだけ個別に聞けばいい。
なかにはイマイチなテクニックも蓄積してあるが、苦手なひとがゼロからやるよりは能率がいい。
③ダメだったらまたいろいろやってみる
なかにはうまいやり方が見つからないこともある。
だったら、それごと書いておく。
いつか誰かが、よりよい方法、マシな方法を見つけることもあるからだ。
不治の病にかかったひとをコールドスリープさせるのに似ている。いつか解決できる日が来るまで、静かに寝ててもらうわけだ。
ただし、コールドスリープさせたことまで忘れるといけないから、わざわざ書いておくまでである。
で、新しいアイデアやノウハウを見つけたひとは、些細なことでも遠慮なく書いておくように言ってある。
本当はこういうことに「報奨金」でも出したほうがいいんだろうな、と思っている。
「知ってるひとがどこかに書いておけよ問題」
「暗黙の了解」のような「知識」。
略して「暗黙知」。
世のなかなにかと「暗黙知」が多い。
なんで失敗するまで誰も教えてくれないのだろうか。
おかげで僕の人生は黒歴史そのものである。
「知ってるひとがどこかに書いておけよ」と、僕はずっと思っていた。
このまえこんなツイートをしたけど、
ググるほうがむしろ情弱な気がしている。情強は情強に囲まれているから、いちいちググらなくても、周辺からの良い情報を得て最短でたどり着く。
— kosakamitsuteru (@kosakamitsuteru) 2016年12月12日
結局のところ、ネットで調べただけのひとより、実際に経験したり体験したひとの見地のほうがずいぶんと鋭い。
— kosakamitsuteru (@kosakamitsuteru) 2016年12月12日
ググってもわからないことは意外と多い。
むしろググってもわからなかったら、正解に近づいているような気もしている。
なぜなら、まだ明文化されていない領域の可能性があるからだ。
僕はそういった「ブラックボックス化」されていることに、すごい価値が隠れているんじゃないかと思っている。
だから、よくわからないものは「やってみる」しかなくなるし、ブラックボックスは明文化しておいたほうがいいと思っている。
もちろんこっちが無知で知らなかったりすることもあるが、そういうのも含めて、社内やグループで蓄積するのがいいと思う。
で、やってみた結果。うまくいったかどうかまでウェブで報告する義務は僕にはないから、そのノウハウは当然クローズドな情報になる。
本来はそれごと公開して人類の発展に活用するのがウェブの姿だとは思うけど、実際はそうなっていないよねw
ゆくゆくは仕事のノウハウだけではなく、人生のノウハウも共有できたらいいんじゃないかと思っている。
もちろん社内やグループでね。
情報共有にオススメのツール
なお、ノウハウをマニュアル化しておくのにオススメなルーツとして、Markdownエディタと情報共有ツールが一緒になった組み合わせがいいと思う。たとえば以下のようなものだ。
で、うちはさんざん右往左往した結果、いまはQiita Teamを使っている。
上記以外のいろいろなサービスも使ってみたし、社内Wikiの活用などもやってみたが、いまでもDocBaseとesa.ioは捨てがたいと思っている。
DocBaseはデザインが好きだし使い心地がとてもいい。esa.ioは上記3つのなかでは唯一「カテゴリ」という概念を持っている。情報のカテゴライズが必須ならesa.ioの一択かも知れない。
タグの管理は何度もメチャクチャになったが、タグ名をアプリ名やサービス名にしたらだいぶ落ち着いた。ここは職種にも寄るところだと思う。好きにすればいい。
ちなみに、うちのQiita Teamはクライアントごとにプロジェクトに分けられていて、各記事の内容に対して「エクセル」とか「Jedit」とか「Analutics」などのアプリケーション名やサービス名が「タグ」として振ってある。
なお、チームで情報を共有しなくてもよいならQuiver(Quiver: The Programmer's Notebook - HappenApps, Inc.)がいいと感じた。Markdownエディタをお探しのかたはチェック。
ゼロ成長の時代でも能率をあげるにはどうするか
よその会社はどうやっているのかまったく知らないけど、うちはこうやっている、という話である。
オチは特にないw
追記
2016.12.24 追記
関連するかも知れない記事。
みんなが本当に知りたい情報は、公開されていない(検索しても出てこない)情報だと思う。
Evernoteのプライバシーポリシーにまつわる混乱の背景にあるもの | Lifehacking.jp
もう先々週のことになりますが、Evernoteがプライバシーポリシーを変更する、しかもその内容がユーザーに対して一方的なもので大きな批判を浴びるという事件がありました。 その後、Evernote CEOのクリス・オニール …
lifehacking.jp
2016.12.29 追記
この本に書かれていることが参考になるかもしれない。
僕はひとが減る以上能率をあげるしか解決策がないと思っているし、田舎であればあるほどそうしなければならないと思う。能率化は都会の話ではなく、地方の話のようにも感じる。
2017.01.01 追記
と思っていたら、2016年12月31日に以下のような記事があった。やはり、田舎ほど能率化しないとダメだと思う。
田舎は一生懸命「人口」自体を増やそうとしているけど、減少スピードには絶対に追いつけない。増やすにしてもちゃんと能率化できるようなひとを優先して増やさないと、あとで困ったことになると思う。
あと、この記事もいいなぁと思った。内容は違うけど、言いたいことの本質は似ている。
年末となり、そろそろ真剣に就職活動について考えている学生の方が増えているようである。 そして、学生たちに話を聴くと、特に見栄えのする学歴を持っている学生ほど「大手に行きたい」という志向が強いと感じる。 たしかに、マイナビ…
blog.tinect.jp
2017.01.04 追記
これこれ。体験したことって忘れにくい。
人は読んだことの10%しか覚えてないが、体験したことの90%は忘れない | AdverTimes(アドタイ)
前回のコラムでは、アドブロックのような手段で広告がブロックされたり、広告が無意識にスルーされたりしてしまう時代に、広告主はどう変わっていくべきなのかという話について考えてみました。
www.advertimes.com